ALS治療薬

「筋萎縮性側索硬化症(ALS)診療ガイドライン2023」によると、ALSで承認された治療薬にはリルゾールとエダラボンの2種類があり、リルゾールは生存期間を2~3か月延長し、エダラボンはALSFRS-Rの低下を33%抑制する効果があるらしい。でも、どちらの薬も進行を遅らせるのみで、症状を改善する効果はないと書いてある。

 令和6年の9月、この2つの薬にメコバラミンが追加されたらしい。ルリゾールの認可は平成11年3月、エダラボンは平成27年6月なので9年ぶりの新薬登場になります。ちなみにリルゾールの2~3か月の延命効果に対して、メコバラミンは20か月の延命効果があり、さらに神経細胞の回復効果も期待できるとか。徹底した食事療法を始めて、腸内細菌叢も準備万端なんで、絶対に回復できると思う。供給開始は11月くらいということみたいだけど、一日も早く処方してほしい・・・。

 よく読むともともと平成27年には一度治験が終了して承認申請をしているけど翌年には一度取り下げをしているらしい。効果が不明確だったのが、発症後1年以内の患者に限れば高い効果があることが判明して、製薬会社ではなく医師主導による追加治験を開始したみたいです。素人には分かりませんが、会社主導ではなく医師主導の治験は相当大変なようです。頭が下がります。

 それにしても、追加治験でも偽薬試験をやっているけど、本当に必要なのかなぁと思います。メコバラミンが投与されたのは65人で、偽薬が投与されたのが64人なんで、同数の被験者で治験を行うことがルールかもしれませんが、過去の別の薬剤の治験データや最初の治験データが活用されたら、64人×20ヶ月=延べ1280月は延命できたのではないかと思います。前提条件がわずかに違うからダメだと言われると思いますが、こういう役人的な発想が航空機の開発を含めて、日本の足を引っ張っているような気がします。

 これは治験に対する批判ではなく、制度に対する批判です。

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