ALSとの戦いに勝つための作戦

 ALSは回復しない病気と言われています。結果的に長生きされる患者もいらっしゃいますが、人工呼吸や胃ろうの増設が必要になり、回復や完治した事例は日本では知られていません。しかし海外に目を向けてみると、61名の回復事例が知られていてデューク大学で研究が進められていることを知りました。座して死を待つことだけは絶対にしたくないので、ALSとの戦いに対して、どうやったら勝機を見出せるかについて、素人なりに考えた現在の状況をまとめました。

ALS発生のメカニズム(仮説)

 デューク大学で立てられているALS発生の仮説は腸内細菌叢の乱れが神経変性を引き起こしているというものです。これは動物実験の結果から示唆されるものですが、同様の神経変性疾患であるパーキンソン病やアルツハイマー病でも、添付画像のように腸内細菌叢の乱れが神経変性を引き起こしていると考えられ始めているそうです。これと同様な過程がALSでも成り立つのではないかとデューク大学の研究者は考えているようです。以下の解釈は、友人の著名な生物学者に手伝ってもらいました。※細部はALS 第1章 ALS Reversals (kagoyacloud.com)を確認してください。
※10月25日 1を少し修正しました。

〇腸内環境の乱れ(腸内細菌叢の異常)
腸内環境が悪化すること(腸内細菌のバランスが崩れること)により、抗炎症性のトラックス(Torax)や酪酸産生トラックスの機能が低下し、炎症性のトラックスやサイトカイン、LPS(リポ多糖)、BMAA(神経毒物質)などが増加する。

〇腸のバリア機能の低下
腸のバリア機能が損なわれ、腸の透過性が増加します。これにより、腸内の微生物やその代謝産物、炎症性因子が全身循環に乗って増加します。

〇血液脳関門(BBB)の透過性増加
腸の透過性が増加することで、血液脳関門も透過性が上がり、炎症性因子が脳に到達しやすくなります。

〇神経系のタンパク質の蓄積とミスフォールディング
腸の神経系(ENS)において、α-シヌクレインやβ-アミロイドの蓄積が起こり、これが中枢神経系(CNS)にも波及し、同様のタンパク質のミスフォールディングと蓄積が進行します。

〇神経炎症と神経変性
炎症性因子が脳で炎症を引き起こし、最終的に神経変性が進行します。具体的には、パーキンソン病(α-シヌクレインの蓄積)やアルツハイマー病(β-アミロイドの蓄積)などが引き起こされ、ALSの発症メカニズムに関連します。

腸内細菌叢の乱れがきっかけとなり、神経細胞に異常物質の蓄積が起きていることが主張されています。このため、腸内細菌叢の乱れを修復することと、神経細胞の修復が必要と考えました。

腸内細菌叢の修復

 デューク大学ではALS Reversalsの食事の研究について重要だとの指摘がありましたが、いつ何を食べたかを記録することが難しいことから、具体的な方法は記載がありません。一方で、独自でALS Reversalsを研究された方が本を出版されていて、具体的な食事について詳しく書いてありました。

 他にも腸内細菌の本がたくさん出版されているので、何冊も読んでいますが、ナナホルトさんが書かれたALS Reversalsの食事は理に適っていることから、本に記載された方法をできる限り真似した食事療法を始めました。具体的には著作権にかかわる内容ですので本を読んでください。とりあえず、大好きなジャンクフード・炭酸飲料・コンビニスイーツは一切食べていません。

 とにかく腸のバリア機能が損なわれ透過性が増した腸のことをリーキーガッツと呼ぶようですが、これを止めることが最優先ではないかと思います。

 また、腸内洗浄という医療行為があり腸内細菌叢をリセットできるのでとても興味がありますが、必要な菌まで洗い流してしまう可能性があるので躊躇しています。今度腸内細菌の検査キットを使ってみて、結果が悪ければやってみようかと考えています。

神経細胞の修復

神経細胞の修復の候補としては、

①ロゼバラミン
 9年ぶりに認可されたALS治療薬です。従来の治療薬であるリルゾールが平均2か月の延命が期待できることに対して、ロゼバラミンは20ヶ月と圧倒的な効果が期待されます。また薬自体に神経細胞の修復作用があるそうです。市場に供給されるのは11月くらいからで、できるだけ早く処方してほしい。
「ロゼバラミン®筋注用25mg」:2024年 | エーザイ株式会社 (eisai.co.jp)

②セラクルミン
 デューク大学でのALS Reversalsの研究の中で9名のReversalがクルクミンを摂取していたらしい。クルクミンはターメリック(うこん)に含まれる物質であり、粒子を細かくして、水溶性を高めたものがセラクルミンである。治験では効果がなかったものの、副反応が少なく容易に取得でき、神経の修復効果が期待できることから9月末から服用している。食事療法との相乗効果を期待している。 
ALS 第3章 ROARプログラム 

③アッカーマンシア菌

アッカーマンシア菌は腸内細菌の本では注目されている菌であり動物実験レベルではALSとの相関が確認されている。ネットでたまたま売っていたので、試しに摂取してみる。

その他

 自分の病気にかかわる話なんで、情報を公開するのはどうかという意見もあるかもしれませんが、出来る限り多くの方に知ってもらいたい知恵を出してもらいたいと考えます。

 またALSだからといって、完治を目指す権利と根拠があることを知ってもらいたいと思います。僕がやろうとしていることは代替療法や民間療法になると思いますが、それらはALSガイドライン(99ページ)では否定的に書かれています。科学的な根拠がないわけではなく、可能かどうかは別として、可能性がある方法だと思うので、医師と話し合いながら進めていきたいです。als_2023.pdf (neurology-jp.org)

 こうやって自分が主体的に生き残る手段を考えることで、楽しくなってきます。これが本気の大人の探究活動です。

 絶対にあきらめない。

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